● お医者さんに頼れない場合 ●

 

なんらかの理由(近くに鳥の専門医が居ない等) で、どうしても獣医に見せられず、 うずらの病状が酷い場合、素人療法を試すという方法があります。 自宅介護で治る場合は幸運ですが、感染症等の場合は、 薬や手術無しでは延命が精一杯でしょう。 そこで、素人なりに病気を推測し、人間用の薬を処方してみるというものです。

 

あらかじめ言いますが、これは大変に危険な行為です。 なぜなら、鳥の感染症は見た目にはどれも似たり寄ったりの症状が多く、 顕微鏡検査などで初めてはっきりと原因が解るものです。 また、真菌(カビ)、細菌、ウィルス、原虫など、原因微生物によって処方する薬は違います。 真菌(カビ)の症状に対して、抗細菌性の薬を処方しても効果はありません。 また、人間と比較して体重数百分の一ほどしかないうずらに、人間用の薬を処方する訳ですから、 投薬量を間違えば、例え人間には作用の弱い薬でも、即死しかねません。 かといって、薬が薄すぎたり、投薬方法を間違っても、薬の効果はありません。 また、人に効くからといって、うずらにも効くとは限りません。 体の構造も人間とは、びっくりするほど違いますし、適切な投薬量も素人には解りません。 それでも、病院にも連れて行けず(あるいは病院で断られた)、放置して死んでしまうくらいなら・・・ くらいの段階で行うものです。ギャンブルに近いと言っても過言ではありません。 失敗すれば、薬で殺してしまったという後悔の念が残る事でしょう。 病院を探す努力はして下さい。 今の時代インターネットで簡単にその地域の病院の住所を検索できます。 あとはグーグルマップなどで地図を確認すれば、行くことができると思います。 病院を見つけたら、まず電話して鳥を診てくれるかどうか聞いて下さい。 犬、猫だけという病院が実際多いです。

 

人間の薬の投与は、飼い主の責任の下で行って下さい。

以下の医薬品をうずらに処方して何かあっても、当方は責任をもちません。

これは本当に最後の手段です。

 

 

アクロマイシントローチ

抗細菌薬です。テトラサイクリンという抗生物質が一錠に15mg含まれます。 成人で1日4〜9錠、主に口の中の細菌増殖を抑える薬です。 細菌の蛋白質の合成を阻害することで、その増殖を抑えます。 人間ではあまり副作用はなく、まれにアレルギーや吐き気が出る場合があるそうです。 グラム陽性菌のブドウ球菌や連鎖球菌、グラム陰性菌の大腸菌やインフルエンザ菌に抗菌作用を示します。 テトラサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、大腸菌、クレブシエラ属、 プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌 に効果があり、 非常に広範囲の細菌類に効果があるようです。 ただ、直接細菌を殺すのではなく、増殖を阻害するだけなので、殺菌は自然治癒力任せです。 とは言っても弱い薬ではなく、比較的効果の認められている薬です。 お値段も20錠で500円前後と、比較的安いお薬です。 真菌(カビ)には効果が無いようです。カンジタ症の場合は菌交代症でむしろ悪化する場合があります。 うずらがアスペルギルス症などの真菌に感染している場合は、 むしろこの薬がダメ押ししてしまう危険性があります。 成分のテトラサイクリンマイコプラズマ性疾患に効果があると言われています。 このアクロマイシントローチが、マイコプラズマ症の薬という訳ではありません。 クラミジア性疾患にも効果がありそうですが、鳥クラミジアにも効果があるかどうかは解りません。 鳥の餌などにも、テトラサイクリンが添加されている場合もあり、 予防薬としても使われるようですが、比較的安易に細菌が耐性を獲得するらしく、 常に与えておくのは危険かも知れません。また善玉菌も減少させてしまいます。 レース鳩に与えているという事例を見たことがあります。 即効性ではなく、長い期間飲み続けながら、時間を掛けて菌の数を調整していくタイプの薬のようです。 うずらに一錠丸ごと与えるのは明らかに過剰と推測できるので、 のみ水に混ぜるなどして、少しずつ時間をかけて与えるともしかすると良いかも知れません。 うずらに対する、適正投薬量は残念ながら不明です。

 

 

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イトラコナゾール

 

イトラコナゾールは商品名ではなく、成分名です。 イトリゾールカプセル50などの製品があります。 皮膚糸状菌(トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属)、 カンジダ属、マラセチア属、アスペルギルス属、クリプトコックス属、スポロトリックス属、 ホンセカエア属による感染症の治癒に適していて、 アスペルギルスカンジダなどの真菌(カビ)に効果がある成分です。 人間では、爪白癬(爪水虫)など、塗り薬では治りにくい部位の水虫に効果のある飲み薬などが 一般的で、消化器真菌症や呼吸器真菌症など内臓真菌症の治療にも用います。 肝臓や腎臓、心臓に障害がある場合は避けられます。 成人には20mL(イトラコナゾールとして200mg)を1日1回空腹時に経口投与します。 他の薬の代謝分解を邪魔する性質がある為、 その薬の血中濃度が上昇し副作用がでやすくなります。この理由で併用禁止となる薬剤が多く存在します。 色々な副作用が懸念され、医師の処方箋が無いと入手の難しい薬です。 のみ水に混ぜるなどして、少しずつ時間をかけて与えるともしかすると良いかも知れません。 うずらに対する、適正投薬量は残念ながら不明です。

 

 

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アスゾール

 

トリコモナス症、胃潰瘍のヘリコバクター・ピロリ感染症、 十二指腸潰瘍のヘリコバクター・ピロリ感染症、膣トリコモナスによる感染症に処方 人間では性感染症の薬らしいですが、 鳥では、そのう炎の原因寄生虫のトリコモナス原虫に効果があるかも知れません。 レース鳩に処方されている事例を見たことがあります。

 

 

 

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