● 寿命を延ばす ●

 

うずらの寿命を左右する要因は様々ですが、

大きな要因の1つとして与えている餌の種類があります。

 

砕いたハトの餌だけを与えたうずらより、

一般的なうずら用飼料だけを与えたほうが長生きする可能性が高く、

一般的なうずら用飼料だけを与えたうずらより、

ラウディブッシュだけを与えたうずらのほうが、さらに長生きする可能性が高くなります。

 

どうしてこのような事が起こるのでしょうか?

 

それは、ハトの餌には、うずらに必要な栄養素が少なく、

一般的なうずら用飼料は、栄養条件が良いものの劣化がしやすいという欠点があり、

ラウディブッシュは栄養条件が良くかつ劣化しにくい、という特徴があるからです。

 

 

うずらにとって寿命の鍵となる栄養素

 

 

タンパク質、カルシウム

 

メスのうずらは、自らの血液と骨を消耗して頻繁に卵を生みます。

卵を1つ産む、という事はうずらの体から卵1つ分の栄養が失われているという事です。

自然の鳥のように繁殖期にのみ卵を生む場合はさほど問題ないですが、

飼いうずらは、若い間は常に卵を産むように品種改良されているので、

常に栄養失調の危機に晒されています。

 

玉子は主にタンパク質、殻はカルシウムで出来ています。

生命を維持する為に材料となるタンパク質、カルシウムがうずらには大量に必要です。

(卵を産まないオスはメスより長寿命なのはこの為です)

反面、飛ぶ鳥のように激しく運動にエネルギーを使う事がないので、

炭水化物や脂質はやや控えめが望ましいです。

 

一般的にタンパク質というものは、肉類、魚類、豆類、乳製品、卵に含まれていて、

食品の中では炭水化物などと比べて高価です。

そして、タンパク質を含む食品は脂質とセットになっている事が多く、

脂質は酸化する事で劣化しやすい特徴があり、

この2つの要因がうずら飼いにとって頭を悩ませる問題となっています。

 

 

ビタミンD3

 

カルシウムを吸収する為に必要な栄養素です。

紫外線に当たることでうずらは補給します。

魚肉類に多く穀物類にはほとんど含まれていません。

 

 

 

色々なエサの特徴

 

一般的なうずら用飼料 (魚粉入り)

 

穀物の他に魚粉が含まれているため、

ビタミンD3、タンパク質、カルシウム等の重要栄養素が含まれています

ただし、劣化がとても早く。製造の段階もうすでに魚粉が酸化し、

新品の状態でも、新鮮ではない可能性が高いです

消費期限は1ヶ月程度が限度だと思われます。

劣化した餌をうずらに与えた場合、内臓障害や様々な疾患にかかります。

 

 

ハトの飼料

 

粉砕されていない穀物が中心で魚粉は含まれていません。

魚粉が含まれていないので、ビタミンD3はほぼ含まれていないか、ごく微量です。

飛行で激しく運動エネルギーを消耗する鳥用の栄養配分になっており、

うずらに必要なタンパク質の配分が少なく、炭水化物や脂質が多めで高カロリーです

魚粉が入っていないので、酸化による劣化が遅く、長持ちします。

うずらに食べさせる時は、ミキサーなどで砕く必要があります。

 

 

ラウディブッシュ

 

インコ、オウム用のフレーク飼料です。

低カロリーで高タンパク、ビタミンD3を含んでおり、かつとても劣化しにくいです。

欠点は、常食としてはやや高価な事です。

良質なタンパク質は高価なもの、と割り切り、出来るだけメインで与えましょう。

 

 

インコ、文鳥用の飼料

 

粟、ヒエなどの穀物中心です。

ハトの餌よりは低カロリーですが、うずら用としてはタンパク質やカルシウムの配分が不十分です。

多くはビタミンD3もほぼ含まれていません。

人間で言えば「白いご飯」みたいなもので、この他におかずが無いと不足です。

 殻付き、無添加のものは、劣化が遅く比較的に長持ちします。

 

 

粟玉子 (キクスイ社)

 

見た目は普通のムキ粟ですが、全卵が添加されており、様々な栄養価が高くなっています。

鶏卵は俗に「ビタミンC以外は全て含まれている」と言われている万能食ですので、

量は不明ですが、タンパク質、ビタミンD3、カルシウムなどの摂取も期待できます。

魚粉を含まないため、劣化は早くはなく、かつラウディブッシュよりかなり価格が控えめです。

人間で言えば、「卵かけご飯」といった所で、他の餌とブレンドをもう後ひと工夫すれば、

主戦力の餌として有望です。

 

 

 

豆類 (単品)

 

インゲン豆、エンドウ豆、ひよこ豆、金時豆、大豆、うずら豆など。

コーンや麦や粟など比べて、低カロリーで高タンパク。

タンパク質を多く必要とするうずらにはうってつけの主食になるはずです。

ハトの餌にも少量ながら含まれている事もあります。

ただし流通が少なく入手が難しく、かつ非常に高価です。

タンパク質は含んでいるものの、ビタミンD3がほぼ含まれていません。

 

 

ミルワーム

 

脂質、タンパク質が豊富です。

カルシウムの吸収を阻害するリンを多く含むので、

常食は禁物です。

ただ、うずらはとても喜びます。おやつ程度に。

 

 

魚類 (魚粉)

 

脂質、タンパク質、カルシウム、ビタミンD3が圧倒的に豊富です。

魚肉を乾燥させて日持ちを良くした場合、脂質が酸化してかなり早く劣化します。

うずらに与える時は、生鮭、生イワシなどの鮮魚で

塩分や調味料が添加されてないものを選び (塩鮭などはダメ)、

買ってきて新鮮なうちに、

焼干し (焦げない程度に火を通して、冷ます、焼くを何度か繰り返して乾燥させたもの)

したものをフレークにするなどして、少量餌にまぜてみるといいでしょう。

作り置きせず、数日で食べきる量ならあまり問題は無いと思います。

 

買ってきたばかりの生鮭を、グリルで炙る、冷蔵庫で冷ます、炙る、冷ます、

を繰り返してカチカチに乾燥するまで焼干しにしたもの。

 

煮干しはかなり新鮮、かつペット用の減塩煮干しが良いと思いますが、

新品でも既に劣化しているケースがありますのであまりオススメしません。

 

 

 

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