● 人に馴らす ●

 

飼いうずらは野生の鳥とは違い、とても人に懐き易い鳥です。

馴れたうずらは、掴み上げても嫌がらず。触って楽しむ事もできます。

うずらによっては、自分から人間の傍に寄って来る事もあります。

ただし、うずらを籠の中に入れたままでは、うずらはあまり懐きません。

うずらを懐かせる為には、ケージの外に出してやる必要があります。

 

部屋に放す前に、ミルワームを使って、うずらを呼び寄せられるようにしておきます。

これをしておかないと、うずらを捕まえるために追いかけなければならなくなり、

うずらに余計な恐怖を与えてしまう事になります。

まず、初日はミルワームを器(ミルワームが逃げられないもの)に入れて与えてみてください。 うずらがミルワームを食べれば、味を覚えるので第一段階は完了です。 興味を持たない場合や、怖がって食べない場合も、しばらく様子をみれば食べることが多いです。

 

うずらがミルワームの味を覚えたら、次は同じキーワード(うずらの名前など)でうずらを呼びながら ケージの中にミルワームを置いてあげます。怖がっている場合はその場から一旦離れましょう。 数日繰り返していると、呼ぶとミルワームが貰えると思って寄って来るようになります。

 

キーワードに反応するようになったら、手のひらにミルワームを乗せて与えてみます。 うずらが怖がって手の平のミルワームを食べない時は、遠くから投げるなどして、 じょじょに慣れさせておきます。

 

うずらが手を怖がらずにキーワードに反応して駆け寄ってくるようになったら、 次はいよいよ、ケージの扉を開放して部屋に放します。 ただし、人が通る場所や、小さい子供や、猫、犬などの他の動物が居る場所は危険なので放せません。 うずらは自分の体が通る場所なら何処にでも潜り込みます。 窓が空いていれば、飛び上がって逃げます。 輪ゴムや楊枝など、口に入りそうなものは食べてしまい死んでしまう事もあります。 うずらが逃げ込みそうな場所をまず封鎖し、部屋が散らかっていれば掃除をして下さい。

うずらをケージから出す際は、手で掴まず、自分でケージから逃げさせるようにします。 ティッシュの空き箱などを逆さにして階段を作ってやると、うずらも逃げやすくなります。 出口と入り口に2つ階段を置きます。 ティッシュの箱の中には水を入れたペットボトルなどの重りを入れておくと動きません。

 

うずらがケージから逃げたら、そのまま放っておきます。 飼い主は常に無関心を装って、うずらと目を合わせないようにします。 矛盾しているように感じる方も居るかも知れませんが、 普通のうずらは人間を『外敵』と認識しており、逃げようとします。 追いかけたり、掴んだりすると、うずらは『襲われている』と思い込み、 ますます人間嫌いになります。 スキンシップと称してうずらと遊ぶという行為は、怖がらせるだけなのでしないで下さい。 人間は襲ってこない、という事を徹底して教える必要があります。 時々、キーワードで呼びながら、ミルワームを与えてみましょう。 来ない場合は、うずらの視界にミルワームを投げてみて下さい。

 

このような事を何日も繰り返します。 うずらが気を許すまでには、普通、数ヶ月掛かります。 人間と同じ空間で生活する事により、うずらの警戒心は日に日に自然に解けていき、 やがて人間に興味を持ち、自分の方から近寄って来ます。 飼い主がその間する事は、うずらを追いまわす事ではなく、 うずらが逃げないように見張る事と、 うずらを踏み潰さないように常にうずらの位置を気にする事と、 うずらに触りたいという誘惑に耐える事です。

 

絶対にしてはいけない事は、しつけと称してうずらを叩く事です。 おいたをしたからと言って、叩いても、 うずらは事前の出来事と、叩かれた事を関連付けできないので、 しつけの効果は無く、単なる虐待になります。 うずらにしつけは必要ないので、何をしても我慢して下さい。 叩いたり、いじめたりすれば、ますます人間嫌いになります。

 

ケージに戻したい時は、追いかけたりせず、ミルワームで呼び寄せて捕まえます。 逃げ回るうずらを追いかけて捕まえようとすると、ますます怖がられるので、 隠れたうずらを探し出したり、うずらを捕まえたい時は、ミルワームで呼び寄せましょう。

  

呼ぶと来るようになったとしても、それは馴れた訳ではありません。 例えるなら、パンくずに集まる公園のハトと同じです。 本当に馴れさせるには、もっと長い時間をかけて信頼関係を築く必要があります。

 

うずらが自分から近づいてきたらそっと掴みます。 うずらが逃げても追いかけてはいけません。 うずらが嫌がったら放します。 そのようにしてじょじょに慣らしていきます。 うずらはだんだんと掴まれる事にも慣れます。

 

怖がられても、時間が解決してくれるので、焦ることはありません。

 

 

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